ウィスコンシン大学ミルウォーキー校(アメリカ)

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学年
4年~5年
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所属学部
医学薬学府(医学領域)
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参加プログラム
海外派遣留学プログラム
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留学期間
2024年8月~2025年6月
交換留学をしようと思ったきっかけや、留学先大学への交換留学を決めた理由を教えてください。
交換留学をしようと思ったきっかけは、大学院の先輩がカナダに交換留学をしていたことでした。大学院生が勉強のために交換留学をできる機会はあまり多くないと思い、英語は得意ではありませんでしたが、思い切って挑戦してみようと決めました。
ウィスコンシン大学ミルウォーキー校を選んだ理由はいくつかあります。まず、娘が英語に興味を持っていたため、英語圏であることが望ましかったことです。また、心理学科が設置されていたことも大きなポイントでした。さらに、千葉県とウィスコンシン州が姉妹州であることから、渡米前に現地の知人をつくるきっかけが得られるのではないかと思いました。そして、先輩が留学したカナダの大学は応募条件が厳しくなってしまい、挑戦するのが難しかったことも理由のひとつです。
留学先大学について教えてください。
ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の特徴の一つは、世界中から多くの留学生が集まっていることです。大学では、留学生同士が出会い、食事やゲームを楽しんだり、一緒に観光に出かけたりできるようなイベントが多数用意されており、友人づくりにも困りませんでした。インド、イラン、パキスタン、中国、韓国、台湾など、さまざまな国籍の人々と交流する機会がありました。
また、同大学は総合大学で学部の種類が豊富なうえ、日本語学科もあるため、日本に関心をもつ学生が多いのも印象的でした。
留学先の街や留学先大学キャンパスのおすすめの場所を教えてください。
大学の近くにはミシガン湖があり、6月から11月頃までは散歩に最適な場所でした。ウィスコンシン州で私が特に気に入っている点のひとつは、博物館や美術館のクオリティが非常に高いことです。ぜひ訪れてみてほしいと思います。
学内にはカフェ併設の図書館があり、友人とおしゃべりをしたり、一緒に勉強したりする場所としてよく利用していました。

留学先での学びについて、授業内容とともに具体的に教えてください。
どの授業も本当に楽しく、ここでは書ききれないほどですが、特に受講してよかったと感じているのが、「Psychology Effects of Racism」というAfrican American学科の授業です。人種差別をどう捉え、私たちはどのように考えるべきかを深く学ぶ内容でした。中でも、「マジョリティ側にいる人間は、自らの持つ特権に気づきにくい」という趣旨の話があり、マジョリティとして育ってきた自分自身を見つめ直すきっかけとなりました。また、School Counselingの授業では、実際に現役のスクールカウンセラーのもとを訪れ、インタビューを行う機会がありました。忙しい中でも、子どもたちの様子を見守るためにランチタイムに教室に顔を出し、声をかけている姿に心を打たれました。また、幸運なことにClinical Psychologyの教授がOCD(強迫性障害)の治療の専門家で、授業時間以外に時間を作ってくださり、治療についていろいろ指導を受けることができました。
留学中の一番の思い出を教えてください。
留学中の思い出は数えきれないほどありますが、特に印象に残っているのは、クリスマスやサンクスギビング、ハロウィーンなどのイベントに友人の家に招待していただき、そのご家族が開いてくれたパーティに参加したことです。美味しい食事と楽しい会話、そして家族を大切にする文化が伝わってきて、心温まる素敵な思い出となりました。出会った方々は本当に優しい方ばかりで、損得を抜きにして、英語が拙い私にも温かく接してくださり、多くの愛情をいただいたことを心から感じています。

留学準備において大変だったことや、今後留学を考えている学生に留学準備段階でのアドバイスがあれば教えてください。
私は受験勉強でしか英語に取り組んだことがなく、主にリーディング中心の学習だったため、TOEFLのスコアを取るには一から学び直さなければならず、とても苦労しました。結果として、スコアを達成するまでに1年半もかかり、受験回数は4回にのぼりました。
さらに現地では、最初英語がほとんど聞き取れず、想像以上に大変でした。英語力は、あればあるほど現地で得られる学びや経験の幅が広がると実感しています。
また、娘の学校や住居を決めるのにも多くの時間がかかりました。早めの行動と、わからなければ一人で頑張ろうとせず、いろいろな方にアドバイスをもらうのが良いと思います。
留学経験を、この先どのように活かしていきたいですか。
大学院を卒業した後は、児童相談所でカウンセリング業務に携わる予定であり、また子どもの外来診療にも関わっていく予定です。そのため、今回学んだ心理学やカウンセリング、児童福祉などの知識は、今後の実務に直接役立つと考えています。また、留学を通して初めて自分がマイノリティの立場に立ち、多くの人々の温かさや優しさに触れることができました。人との関係を築くためには、自ら行動し、相手と共に時間を過ごすことが大切であると学びました。この学びを、今後の仕事にも生かしていきたいと考えています。
今後の派遣留学を希望する学生にメッセージをお願いします。
私は子どもが産まれてから、今回初めて長期留学を経験しました。それはそれで得るものが多く、とても貴重な経験になりましたが、もしもっと若い頃にこのような機会を得ていたら、これまでの人生のさまざまな出来事を、もっと柔軟な視点で捉えられていたのではないかと思います。また、語学力の伸びもより大きかったかもしれません。もし留学を迷っているなら、今が人生でいちばん若く、多くを吸収できるときです。ぜひ思い切って一歩を踏み出してみてください。
1日のタイムスケジュール
5:30 起床 英語の勉強
6:00 娘のお弁当作り
7:40 娘の送迎
9:00~ Child Psychology(Online)
11:00 図書館で友人と会話
13:30 Clinical Psychologyの講義
15:00 娘の送迎
15:30 スーパーに買い物
16:30 Unionや自宅で友人と会話 (家族も一緒に)
18:00 夕飯
19:30 宿題
22:30 就寝

